神田松之丞さんが、来年2月の真打ち昇進と大名跡「六代目神田伯山」の襲名に向けた会見を都内で開きました。
襲名披露興行は来年2月11日、東京・新宿末広亭で始まります。
神田松之丞が襲名する「 伯山 」と言われても、44年ぶりの復活ですから、想像がつきません。
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「神田伯山」は「かんだ・はくざん」と読む
講談とは、講釈師が高座に置かれた釈台の前に座り、 張り扇を叩いて調子を取りつつ、主に歴史にちなんだ読み物を、観衆に読みあげます。
現在「講談協会」とそこから神田派が分裂し成立した「日本講談協会」があります。
神田伯山は神田派の頭領の名です。
元々は、神田辺羅坊壽観(かんだべらぼうすかん)という長い名前の講釈師の弟子だった神田伯龍が師名の上の二文字をとって、「神田派」を開いたのだが、その伯龍門下から、「伯山」という師匠を凌ぐほどの巨星が誕生したため、いつか「伯山」が神田派のトップとして扱われるようになったのである。
伯山の十八番は、「徳川天一坊」中途はボソボソ、終盤になると口調が一変し、トントントンとたたみ込んでいくという、メリハリの利いた芸風で、「伯山は天一坊で土蔵を建て」と川柳に詠まれたほどの勢いで、82人の門弟を率いて一時代を築きました。
二代目伯山の十八番は、「水滸伝」 1907年、弟子の小伯山に三代目を譲り、二代目は「神田松鯉」を名乗りました 。
現在の神田松之丞の師匠は、二代目伯山から数えて三代目「松鯉」です。弟子の松之丞が「伯山」という「松鯉と伯山の師弟関係」は、講談の歴史の中に「前例」が存在するのです。
三代目伯山の十八番は、「清水次郎長伝」侠客伝の第一人者です。三代目の「次郎長伝」が、二代目広沢虎造の浪曲になって全国 に広がりました。
四代目が空位なのは、次の五代目伯山が、「二代目伯山の実子、二代目松鯉が本家筋である」といって、一代飛ばした襲名になったからです。
五代目の十八番は、 「大菩薩峠」「村井長庵」「吉原百人斬り」「天保六花撰」に「天保水滸伝」 かなりの個性派でしたが、芸は一級品 、たまらない魅力があったようです。読み口が大変に遅く、性格描写、情景描写はこまやかで、その迫力はいぶし銀の芸と、立川談志も礼賛していたようです。
読売新聞記者の長井さんによりますと、「代々の伯山に『外れ』がいない!」と言うほどの 伯山 は、大名跡なのです。
師匠である人間国宝・神田松鯉(77)は「私が言うとまずいけれど天才的なところがある」と評価しています。
神田松之丞の伯山襲名に対する気持ちは?
「これまで『神田松之丞』として、いろいろなメディアで取り上げていただきましたが、『伯山』になったらそれを超えていかないとというプレッシャーはあります。しかも5代目までは全員、名人と言われてきたので、名に恥じないよう頑張らなければ。 僕は名人になれるかわからないですけど、頑張りたいですね。講談界は今、若手も元気。僕は呼び屋になればいい。伯山の価値を分からせると生意気にも思ってますね。 襲名後は、自ずと責任感も芽生えてくるでしょう。と真摯な決意を口にしました。
現在の悪口キャラは封印?と質問されると、「悪口は言い続けます。先代(5代目)も人の悪口ばっかり言ってた人みたいですから」 と話しました。
伯山 への恋い焦がれるような想いは、神田松之丞さんの公式サイトで、ご本人が述べています。
2020年元日にTOKYO MXに生出演 !
神田松之丞さんを、テレビで見聞きする機会も増えました。
バラエティー、トーク番組、ラジオ、ナレーションなど、多方面で活躍しています。
神田松之丞「講談えほん」イベントで親子連れ前に講談し「ほどほどにウケてましたね」と手応えを感じたようです。
「未来の講談師がこの絵本の先にいるのではないか」との思いを披露しました。
2020年元日にTOKYO MXに生出演。
「座 TOKYO 見よ! これが世界の東京だ!」(後5時)
講談を披露する松之丞さんは「寄席や講談会に来てもらいたいという思いでやっているので、MXを見た人が『この人面白いな』と感じてもらえればと思います」と視聴者に呼びかけました。
「伯山は神様みたいな名前。伯山の価値を分からせるのが次のストーリーと、生意気ながら思っています」 と語る、神田松之丞さんの、今後の活躍も期待したいですね!
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